お風呂に入るたびに、「痩せたい」と思いながらデスクワークで溜まった自分のお腹の脂肪をつまむ、そんなことばかり繰り返していました。ちまたのダイエット本を読んで筋トレをしてみたり、妙なサプリを飲んでみたり、ダイエットオススメアプリを使ってみたりしましたが、どれも痩せることはなく、中には体重が増えるものまでありました。そんなとき、原始人の生活にならって痩せる、パレオ式ダイエットに出会いました。
パレオ式ダイエットは2019/01/20 ~ 2019/07/02の163日間で行いました。約5ヶ月半くらいです。結果はダイエット前63.1kgだった体重が56.4kgに、20.5%だった体脂肪率が13.9%になりました。
見た目もズボンにぜい肉がのるお腹から、薄っすらと筋肉が見えるお腹に変わり、脂肪に埋まっていた鎖骨もようやく位置がわかるようになりました。
体重と体脂肪率のグラフからもほとんどリバウンドせずに、この体型まで痩せられたことが分かります。
ダイエットで調べると様々なサプリやアプリが出てきますが、本当に痩せるダイエットは「食う・寝る・動く」の3点セットが揃ったダイエット法です。サプリやアプリはあくまでもそのための補助に過ぎません。パレオ式ダイエットであなたも理想の体型と健康的で生産性の高い生活を手に入れましょう!
パレオ式ダイエットとは?

パレオ式ダイエットとは、旧石器時代(Paleolithic)の生活を真似ることによって、人間本来の生活に合った形で減量を行う方法です。研究では人間の遺伝子は旧石器時代からさほど変化しておらず、新石器時代から現代に至るまでの食生活や習慣の変化が私たちの遺伝子にそぐわないために、現代病をもたらしているのではないかと示唆されています。
パレオ式ダイエットでは食事、睡眠、運動の習慣を、旧石器時代の人の生活を似せることより、人間の遺伝子にあった生活をすることを目指します。
パレオ式の食事
旧石器時代の人たちは農耕をしていなかったため、食料は主に狩りで捕えた動物か、木の実など自然に生えている植物の実であったと考えられています。まずは彼らの食事法を現代風に真似てみることからスタートします。
リーンゲインズを実践する
パレオ式の食事を実践する上でまず行っていただきたいのがリーンゲインズです。リーンゲインズとは簡単に言えば朝食を抜くことです。具体的に説明すると、1日の間に男性は16時間、女性は13~14時間、何も食べない時間を作り、残りの時間で集中的に食事をします。例えば私は13:00に昼食、20:00に夕食をとるといった形で実践しています。
人類の歴史の中で朝食が食べれるようになったのは、農耕により食料が備蓄できるようになったごく最近のことです。それまでは朝起きたら木の実の採取や狩りなどにでかけ、昼から夜にかけてその日得たものを食べるといった生活でした。つまり、リーンゲインズは人間の遺伝子にあった食事法というわけです。
リーンゲインズの実践は最初の1週間が山場です。最初は突然、一日の摂取カロリーが減ったことにより、体が一時的に飢餓状態に陥ります。しばらくすると、体が自動的に朝食を食べない生活に合わせてくれます。この時、体は朝に必要なエネルギーを溜まった脂肪から取得します。このためリーンゲインズをしているだけで、激しい運動をしなくても痩せることができます。
自炊をして、加工食品を避ける
パレオ式ダイエットでは加工食品を避けます。加工食品は旧石器時代に手に入りづらかった砂糖や塩、脂肪といった食品をふんだんに使うことによって消費者の味覚を刺激して、より食欲を増進させます。加工食品は人間の欲求を極限まで高め、中毒になるように加工された食品です。こうしたものを食べ続けていればいずれ体を壊します。
食べてはいけない食品の具体例としては以下のものです。
- 低質な油(キャノーラ油など)
- スナック菓子
- 加工肉
ベーコン、ハム、ソーセージなどの加工肉や何の肉が混ざってるのか分からない商品 - 果糖ぶどう糖液糖などが入った飲料水
- その他ぱっと見て原材料が分からない商品
加工食品を避けた食事をするためには必然的に自炊をすることになります。スーパーに行き、できるだけ素材そのものの食品を買って、自分で調理して食べます。自炊をすれば塩分や脂肪分をある程度自分でコントロールできます。
パレオ式ダイエットで食べるべき食品としては以下のものです。
- 無加工の肉(牛、羊、豚、鳥など)
- 魚(天然魚、鯖や鮭など)
- 良質な油
ココナッツオイル、オリーブオイルなど - 葉物野菜
- その他野菜
人参、玉ねぎ、れんこん - イモ類
さつまいも、じゃがいも、里芋、かぼちゃ - フルーツ
「いきなりこんな生活はできない!俺はポテチがないと生きていけないんだ!」という方は多くいらっしゃると思われます。私もポテチとコーラを断つのは大変でした。加工食品を食べるのが習慣になっている人はいきなり全てをやめようとすると、反動が出ると考えられるため、まずは量を減らす所から始めましょう。
例えば週3でスナック菓子を食べているのなら、週2回のスナック菓子と週1回のフルーツなどに置き換えます。慣れてきたらスナック菓子の代わりにフルーツを食べる回数を増やしていきます。こうすることで、間食をするという習慣はそのままに、体に良い物を食べるという習慣に置き換えていくことができます。
フルーツはリンゴやキウイなどもいいですが、当たり外れがあったり、賞味期限が短くて袋買いしても食べきれなかったりということもあると思います。私は冷凍ベリー(ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリー3種混合)を買って、これにヨーグルトとハチミツをかけて食べています。これなら当たり外れもなく、冷凍なので賞味期限を気にする必要もほとんどありません!
ダイエットには睡眠が重要

睡眠と肥満の関係は様々な場所で指摘されています。体には食欲が沸くホルモン「グレリン」と、逆に食欲を抑えるホルモン「レプチン」が存在しています。睡眠不足に陥ると、体は起きている時間が長くなった分、エネルギーを得ようとして食欲を増進させるグレリンを増やします。つまり、睡眠時間を減らせば減らすほど食べたくなる体が作られてしまいます。
とはいえ、現代は睡眠を妨げる多くの誘惑に囲まれていて、穏やかに眠ることも許されません。ここでは、光や音を上手く活用して、旧石器時代の人のように眠る方法、匂いを使って安眠へと誘導する方法を解説します。
光を使って睡眠の質を上げる
寝る前の光は睡眠の質を妨げます。デバイスにダークモードやナイトモードを設定して、普段から光を浴びないようにしましょう。最近はWindowsが夜間モードに対応したり、YoutubeやTwitterでダークモードが選択できるようになったりと、目の健康に気を使うアプリが増えてきました。ぜひこの機会に設定しましょう。
心地よい起床のためには音ではなく、光で起きる必要があります。旧石器時代の人が音で起きるというのは天敵の動物が迫っているなどの緊急事態であったと考えられます。毎日、緊急事態で起こされていては体はたまったものではありません。そこで朝になったら部屋の電気がつくデバイスを使うことをオススメします。
例えば部屋の電気の自動コントロールなら、NatureRemoがオススメです。NatureRemoは家電の赤外線リモコンを登録して、リモコンを押さなくても、スマホから家電を操作できるようにしてくれるデバイスです。出先からエアコンを付けたり、時間になったら電気を付けたりといったことができます。
下のNature Remo miniは時間や曜日、温度などをトリガーにして家電製品を操作することができます。設定をしやすく、スマホアプリもよく出来ているので、初めてのスマートホーム化にオススメなアイテムです。
人が来たら電気を付けたい。温度だけでなく湿度や明るさもトリガーにしたいという方はよりハイエンドなモデルのNature Remoがオススメです。miniでは搭載されていない湿度、照度、人感センサーが搭載されています。
わざわざ家電を自動化するのが面倒という方にはタイマーで起動するベットサイドランプがオススメです。タイマーをセットして置くだけで、朝になれば光で起こしてくれます。
匂いを使う
寝る前にラベンダーの香りを嗅ぐと神経の高ぶりを抑えることができ、眠りにつきやすくなることが分かっています。アロマディフューザーでラベンダーの香りを部屋に充満させると良いです。私は面倒なのでラベンダーオイルをそのまま枕にたらして寝ます。
音を使う
夜、静かになると部屋の外を行き交う車の音や人の足音、話し声などが気になってしまって眠れないという時があると思います。耳栓を使うのもありですが、やはり装着感が気になって眠れません。そんな時にリラックスして寝るためにはホワイトノイズや環境音が使えます。
ホワイトノイズとは広い周波数帯で同じ強度になっているノイズのことで「シャー」という音がします。ホワイトノイズがしていると、周囲の音が耳に入りづらくなるため、集中したり、リラックスしたりできます。
環境音は自然環境でなっている音のことで、雨の音、川の水の流れる音、風が吹く音などが環境音です。狩猟採集民は今でも環境音の中で眠りについています。自然音を聞くことでリラックスできるので、眠りにつきやすくなります。
私はRelaxioのホワイトノイズというアプリを使っています。このアプリは雨の音や鳥の鳴き声、風の音などを複数組み合わせてオリジナルの環境音が作れます。このアプリのおかげで、お気に入りの環境音を聞きながらリラックスして眠ることができます。
パレオ式ダイエット中の運動

旧石器時代の人はジムにも通いませんでしたし、意識的にランニングすることもありませんでした。彼らは生活の中で常に動いていたので、それで十分だったのです。旧石器時代の人の運動量を計測するのは不可能であるため、パレオ式ダイエットでは現代に残る狩猟採集民のデータを元にエクササイズの内容を決めています。
・ 一日に自然の中を6~16kmぐらい歩く
『【新装版】一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』 No.1259
・ときどき、筋トレに近い活動をする(獲物をかついだり、ガケを登ったりなど)
・たまに最大心拍数80%以上の猛ダッシュを行う
これらのデータを元にパレオ式ダイエットでは次の3つの運動を意識的に行います。
- NEAT(ニート)を増やす
- HIITをする
- 筋トレをする
NEAT(ニート)を増やす
NEATと言っても教育も受けず働かずにいるという意味でのNEETとは違います。NEATは非運動性活動熱産生(Non-Exercise Activity Thermogenesis)の略で、運動以外で日常的に消費されるカロリーの合計のことです。例えば家事や徒歩での移動、座った姿勢から立つことなどで消費されるカロリーがNEATです。
NEATを増やすために具体的にやるべきなのは1日30分のウォーキング、スタンディングデスクの活用、ステッパーの利用の3点です。
1日30分のウォーキングは都心なら最寄り駅の1,2駅前で降りて歩くなどを実践すればすぐにできます。少し息が切れるくらいの早さで歩くのがポイントです。遅刻スレスレのスリルを味わいながら会社の1駅前で降りるなどが良いのではないでしょうか(笑)。(なお、遅刻による損害等については当ブログは一切責任を負いません)
次に簡単にNEATが増やせるのはスタンディングデスクです。長時間座り続けることが体に悪影響を及ぼすことは以前から指摘されています。スタンディングデスクを活用することで座り続けを解消することができます。GoogleやFacebookといった企業でもスタンディングデスクは導入されています。
スタンディングデスクはFlexiSpotがオススメです。昇降機能付きなので、座った状態での高さと立った状態での高さの両方に調整することができます。こちらの机は天板と足が分かれているため、組み立てが必要です。組み立てと言っても付属のドライバーでネジを締めるだけなので、そこまで難しくはありません。
実はスタンディングデスクを使って立っているだけでは、健康改善に対する効果があまり見込めないという研究結果が出ています。
ロンドン在住の労働者約5000人を対象に16年間調査した研究チームによると、座っている合計時間などが死亡リスクの上昇にはつながらないという結論が得られました。ここからがこの研究の面白いところで、被験者はロンドン市民の中でも比較的体を動かす人で、英国の他の地域住民と比較して2倍の距離を毎日歩いていました。つまり、運動していれば座り続けによる死亡リスクの増加を相殺できるということが示唆されています。
要するにスタンディングデスクを使って立って作業するだけでは足りず、加えて運動する必要があるわけです。「どうやって立ったまま運動するんだ?」と疑問に思われることでしょう。ここで登場するのがステッパーです。ステッパーとは乗ることで歩くときの足の動きを再現して、その場を動かずに運動させてくれる器具のことです。
スタンディングデスクを使うと同時にステッパーを踏むことで、NEATを増やすことができます。私はFITMATEのmini 3D ステッパーを使用しています。他のステッパーと比べて、手頃な価格な上に、歩数や消費カロリーなどを計算してくれます。
残念ながら、こちらの商品は手に入りづらくなってしまったため、以下の商品も合わせてオススメします。メーカーは違いますが、FITMATEよりも軽量でコンパクト、デザインも一新されています。
HIITをする
HIITとはHigh-intensity interval training(高強度間隔訓練)の略で、短時間の運動と短時間の休憩を交互に行うトレーニングです。HIITには休憩や運動の間隔に様々なパターンがあります。まずは簡単なものから試して、徐々に強度を上げていくことをオススメします。
HIIT初心者であればまずはSITプロトコルをオススメします。休憩時間が長いので、それほどキツくなく、長続きします。
SITプロトコルは次のようなステップで行います。
- 2分のウォームアップ
- 20秒だけ全力でダッシュ
- 2分ほど軽くジョギング
- 20秒だけ全力でダッシュ
- 2分ほど軽くジョギング
- 20秒だけ全力でダッシュ
- 3分のクールダウン
SITプロトコルでは足りないという方にはタバタ式HIITをオススメします。タバタ式はHIITの中でも特に強度が高いものです。最初の1,2セットはなんとか走れますが、5セット目以降は20秒がまるで永遠のように感じられます。とにかくキツイので、十分なウォームアップをしてから行って下さい。
タバタ式HIITは次のようなステップです。
- 3分のウォームアップ
- 20秒の全力ダッシュ
- 10秒の休憩
- 2、3を8回繰り返す
- 1分のクールダウン
HIITで狩猟採集民が生活の中で行っている最大心拍数80%の猛ダッシュをすることができます。HIITには様々な効果が確認されています。例えば脳の報酬系が変化して空腹感に苦しまなくなったり、心肺機能が一般的な有酸素運動の2倍のスピードで向上したりするなどがあげられます。
HIITは頻繁に時間を測る必要があるため、アプリが必須です。私は「Interval Timer - HIIT Training」を使っています。

筋トレをする
パレオ式ダイエットの筋トレは次の5種のメニューのみで行います。
・スクワット
『【新装版】一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』 No.1642
・プッシュアップ
・ダンベルロウ
・リバースランジ
・オーバーヘッドプレス
腹筋運動が無いことを意外に思われるかもしれませんが、最近の研究では上体起こし(クランチ)は筋肉を強化する効果が低い上に、腰を痛めやすいことが指摘されています。アメリカ軍の海兵隊も体力テストから上体起こしを除外するなどの措置をとっています。
上体起こしをするよりも、むしろスクワットやランジなどでお尻や腰、太ももなどの体の中でも体積が大きい筋肉を鍛える方がダイエットには効果的です。大きな筋肉を鍛えることで脂肪が燃えやすくなり、結果的にお腹周りの脂肪が減りやすくなります。
しかもこれら5つの筋トレをするのは週1回、12分のみです。パレオ式ダイエットは筋肉を「もうこれ以上動かせない」というギリギリまで疲れさせることで、少ないトレーニング時間で最大限の効果を得られるよう工夫されています。
パレオ式ダイエットまとめ
パレオ式ダイエットとは旧石器時代の生活様式を真似ることで人間の遺伝子に則した形で無理なく痩せられるダイエット法です。まとめると以下のようになります。
- 食事
- リーンゲインズで摂取カロリーの制限をする
- 加工食品を避け自炊をする
- 睡眠
- 夜は光を避け、朝は光で起きるようにする
- 匂いを上手に使って神経をなだめる
- 音を使ってリラックスする
- 運動
- 日常的な消費カロリー(NEAT)を増やす
- HIITをする
- 筋トレをする
ダイエットでズボンがゆるくなったなんて話はよく聞きますが、 今回のパレオ式ダイエットで、私はパンツのゴムがゆるくなりました。 今は女子高生がスカートを短くするときみたく、 ゴムを折らないとパンツが落ちます(笑)。
よくRPGで「武器は装備しないと意味がない!」なんてセリフを目にします。ダイエットでも同じです。知識を知っているだけでは痩せません。 この記事を読むだけで終わらせるのではなく、 ぜひパレオ式ダイエットという強力な武器を装備(実践)して、 理想的な肉体というステータスを勝ち取ってください。
より詳しくパレオ式ダイエットを知りたい方はパレオな男こと鈴木 祐さんの『新装版】一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』をご一読下さい。
ダイエット法は分かったけど、いつも3日坊主で終わってしまうという方のために、ダイエット続けるためのテクニックをまとめました。
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